VOL.14 磐田刃物株式会社

「魅せる」強みを武器に

静岡県磐田市。田畑と川に挟まれたこの場所に、「磐田刃物株式会社」はある。1973年に創業し、日本国内の木工関連市場をターゲットとした鋸刃の製造・販売を開始。1982年より海外へ進出し、東南アジア地域と中近東諸国へと販路を拡大。現在では北米、そしてヨーロッパ地域でも磐田刃物のユーザーが存在する。木工や金属を切断するチップソーの製造メーカーとしてグローバルに躍進し続けている企業だ。製造工程の中には機械化する事が困難なパートも多く、長年の経験を積んだ職人気質な従業員たちが黙々と作業する姿を目にした。

磐田刃物で製造するチップソー
大きさや用途も様々な物を製造している

安西 寛倫 代表取締役社長

磐田から世界へ発信

磐田刃物株式会社は昔から貿易商社を通して海外輸出が多かったのもあり、85〜90%が海外への輸出だ。「先代の社長の頃は貿易商社に販売の面は任せており、マーケティング力や販売力はありませんでした。それでは物足りないので自分たちでももっと自社製品をアピールして販売していきたいと思いました。」安西社長は会社のブランディングにも2020年から着手し、専属のデザイナーも採用した。海外の展示会にも多く出展し、自分たちでも販売していく力を身に付けた。いかに良く自分たちの製品を見せられるかを試行錯誤し、製品のパッケージやカタログ、展示会場のブース等もコーポレートカラーの黒を基調に高級感のあるイメージを意識して統一化させている。

ユニフォームも「魅せる」

ブランディング強化に着手したタイミングでユニフォームも一新させた。以前は水色のダボっとした昔ながらの作業服だった。黒い汚れが目立つ事とコーポレートカラーが黒という事もあり、ユニフォームカラーはダークトーンにリニューアル。TS DESIGNのアイテムを選んだ理由はシンプルに「見た目の良さ」だったそう。社内の雰囲気もユニフォームの色やシャープなシルエットに統一されて締まって見える。安西社長も「スマートなデザインで社内外問わず着ていけるから本当に便利です。展示会に着ていくと、競合他社の社長からも羨ましがられました。」と、好評だ。従業員に聞いてみると、「家族に見られた時に、今までの古い作業服姿しか見た事が無かったから、それって本当に作業服なの!?って驚かれました。」と言っていた。

日本製の良さを世界に発信する

磐田刃物株式会社は、2023年に創業50周年を迎えた。製品開発では今まで培ってきた経験と現代の技術を上手く融合させ、新たな価値を生み出していく事を目指していく。また、競合他社やユーザーを巻き込んで業界全体を盛り上げ、日本製品の良さを世界へ発信していく事を安西社長は目指している。その為にも、安西社長はいち早くブランディングの強化に取り組み始めた。製品の魅力だけではなく、総合的に「魅せる」仕掛けを大事にしている。「パッケージやカタログや従業員のユニフォームから、何か磐田刃物ってカッコいいなと、興味を持ってくれる人が増えたら嬉しい。」と安西社長は語る。この魅力的な取り組みにTS DESIGNがユニフォームとして関わっている事が嬉しかった。