VOL.21 旭ビルウォール株式会社

美意識を高める

埼玉県加須市。この地には、旭ビルウォール(通称:AGB)が擁する技術開発・試作の拠点「モノづくりセンター」がある。ここで、都市の外観を支える技術と実践が日々積み重ねられている。AGBは、建物の顔とも言うべき「ファサード」をつくる、世界でも稀有なファサードエンジニアリング企業だ。名だたる企業やブランドの建築デザインを実現し、構造や機能面での高度な要求を満たしながら、それを実際の建築として形にする役割を担っている。

経営管理部 藤山 宜貴

ファサードの重要性

ファサードとは、建物の正面外観のこと。いわば「顔」にあたる部分であり、都市空間におけるランドマーク性や、街並みとの調和、緑化との関係性など、設計段階から多角的な配慮が求められる。また、商業施設においてはコンセプトや世界観を体現する重要な要素でもあり、集客力にも直結する。そうした多層的な意味をもつファサードを、構想段階から施工まで一貫して担える企業は限られており、AGBはその中でも高い専門性を有している。

ファサードの価値を伝えていく

AGBでは、単に建物をつくるだけでなく、「ファサード」という概念そのものの社会的な理解と関心を高める取り組みも行っている。専門誌での技術発信や、大学との共同研究、動画やWebコンテンツを活用した広報活動など、立体的な情報発信を通じて、ファサードの思想と意義を社会に提示してきた。都市の表情をかたちづくるファサードの力を、広く伝えることは、企業としての使命のひとつであると捉えている。

ものづくりセンター内での光景

現場に立つ従業員のプライドと美意識を高めたいという想いから、AGBでは全社的にユニフォームの刷新を行った。全事業所の全従業員を対象に、業務特性に即した機能性と、会社全体の統一感を両立するデザインを模索する中で、TS DESIGNのアイテムが理想に最も近いという結論に至った。「ただカッコいいだけでなく、若年層や女性にも受け入れられるデザイン性が決め手になりました」。藤山さんをはじめ、現場の声を反映するかたちで実現したユニフォームチェンジは、社内外から好意的な反響を得ている。

ユニフォームはファサードの一部

プロジェクトを主導した藤山さんは、「ユニフォームは単なる作業服ではなく、企業の姿勢や価値観を体現する“ファサード”の一部だと思っています」と語る。従業員一人ひとりがその一部を担っているという意識を持つことで、仕事への誇りや美意識が育まれる。AGBは、ファサードエンジニアリングを通じて建築文化と社会課題を接続する存在を目指し、働き方や企業姿勢そのものを“都市の顔”として磨き続けている。

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