VOL.11 石坂産業株式会社
この仕事が、世界を変えるんだ。
暖かい気温が続く今年の11月下旬、埼玉県三芳町へ足を運んだ。大きなプラントの周りには畑や里山、道の駅のような施設もある。一見、何の会社なのか分からなかった。「石坂産業株式会社」は、建設系廃棄物等の再資源化やリサイクル製品の販売を行っている会社だ。ごみをごみにしない社会「Zero Waste Design」をビジョンに掲げ、産業廃棄物の再資源化・環境教育活動に取り組んいる。現在では廃棄物の減量化・再資源化率が98%という業界トップクラス水準の技術を誇っている。
創業から50年以上、毎日たゆまず再資源化の技術を磨いてきた
石坂 知子 専務
地域ファーストの経営理念
「私たちの事業がこの土地で続けられているのは地域の方たちの理解や協力があってこそ。地域の方たちの生活に役立つ存在でありたい。」と石坂専務は語る。石坂産業の周辺にはかつて不法投棄で荒廃した里山があり、その里山を再生させることで、現在は環境教育フィールドである「三富今昔村」として活用し、地域の人々が楽しめる場所作りを事業の一貫として行っている。綺麗に整備された散策路は日頃の散歩道として利用する人も多い。ドーム型のテントでのデイキャンプや、新鮮野菜をそのままグリルして味わうBBQエリア、太陽光で走るミニSLもあり、老若男女の憩いの場所となっている。また、自社の有機農園で採れた食材を活用し、食を通した「おいしい体験」として提供している。
ISHIZAKAの魂のこもった戦闘服
2022年4月、創業55周年を機に新ロゴのプレスリリースと並行して新ユニフォームに変更。完成までに3年もの構想期間を費やした。エシカルで若い社員にも受け入れられるデザインのユニフォームにこだわり、シャツは再生ペット繊維を使用。廃棄される植物から色素を抽出して製品染め(ガーメントダイ)をする我が社のプロジェクト「COLOR LAB CUSTOM」の「EARTH DYE」から、お米の籾殻等から抽出したライス染料で染色したジャケットを採用した。ユニフォームにも「環境」を思いやる意識を高める物を求める姿勢に、当社の企画がマッチした事は実に嬉しい。
地域から世界へ発信
全人類が避けては通れないキーワードである「気候変動」、「地球温暖化」、「生物多様性」、「廃棄物」。これらの問題全てに関わる石坂産業は、年間に国内外問わず約6万人の見学者が訪れる。高基準の廃棄物の減量化・再資源化率を比較的コンパクトな敷地内で行い、地域に根付いた里山の活用と環境教育事業を展開しており、今までの産廃業者のイメージをガラッと変えた。各メディアにも取り上げられる程、その注目度は高い。石坂産業の現場スタッフ内での共通言語に「この仕事が、世界を変えるんだ。」という言葉がある。まさに彼らの仕事は世界を「地球環境」の側面から変える事が出来る可能性を秘めている。私たちのユニフォームが力を添えている事が誇らしくなった。