SELECTOR 01
田波 輝(i&i STAFF)
クラシックな鳶のスタイルに
+aで古着屋ならではの目線を
今年渋谷の古着屋i&iにカムバックし、数々の雑誌やメディアに取り上げられる街のアイコン的な存在。
US古着を中心にしたファッションスタイルを参考にする人も多い中で、
以前鳶の仕事もしていたというバックボーンを持つ田波くんは、どんなアイテムを選ぶんだろう?
等身大で無理に背伸びをせず
サイジングに遊び心を
「2年弱くらい職人の仕事をしていた時期があるんですけど、その時に作業着をめちゃくちゃDIGっていて、特に目を引いたのがTSDESIGNでした」。古着屋として国内での服の買い付けをおこなう田波くんにとって服をDIGすることは日常で、職人時代も変わらず自身のスタイルを探求していたそう。TS DESIGNの印象については、「無駄な装飾がないので落ち着きがありますが、機能的なディテールや素材選びは都会的な空気感を感じる」と、ファッション面にも魅力を感じているようだ。では、実際にどのようなスタイルで仕事をしていたのだろう?「当時は、自分に職人としての技量がないことは理解していたので、派手なスタイルやベテラン感は模倣しませんでした。トップスとパンツのサイズ表記を敢えてずらしてシルエットを調整したり、腰道具とのハマり方や現場への道中で使用していた古着のキャップやバッグとの統一感を楽しんでいました」。普段着よりも選択肢が少なく、ファッションアイコンも存在しないこの業界では、”サイジングで楽しむ”こともひとつの正解なのかもしれない。また、普通のファッションとは違い、腰道具を着用するとシルエットが大きく変わるため、職人であるからこそ楽しめるスタイルがあると語る。
そして今回選んでいただいたベストは、”シャンブレーのような奥行きのある素材感とシルエットに惹かれた”と教えてくれ、コーデの背景にあるのは職人への憧れがあるのだという。「ニッカに長靴を履き、ベストを羽織って頭に手拭いを巻く。そんなクラシックな鳶職のスタイルに憧れを持ってるのもベストを選んだ理由かもしれません。羽織るだけで普段着に落とし込めるし、ポケットも増えるので、純粋に便利という面も魅力ですね」。作業着をおしゃれに着こなしたいけど、周りに聞く人も参考にする人もいない…と悩むそこのアナタ。i&iに足を運び、スタイリングについてアドバイスをもらいに行ってみてはいかがでしょうか?